今回は、NIKONのZマウントレンズについてお話していきます。
Zマウントカメラの標準ズームでちょっと気になりませんでしたか?
24-70mmの焦点距離でF/2.8のS-Lineのレンズと、
28-75mmの焦点距離でF/2.8の無印のレンズどっちがいいのか?です。
似たような焦点距離の標準ズームで、FNo.もおなじ。
だけどS-Lineか、無印かの違いはある。
さらには価格差も結構あります。
24-70mm F/2.8 S-Lineのほうは296,080円。
28-75mm F/2.8無印のほうは113,850円です。
※記事執筆時点(23年8月11日)カメラのキタムラネットショップ税込み価格
値段が3倍近いけど見た目のスペックはぱっと見ほとんど同じそうですよね。
となると、安い方でいいじゃんとなりそうですが…
今回はちゃんと見ないと気づかないスペック、
実写性能についても実際に両方のレンズを、Z9につけて
撮影してみましたので参考にしてみて下さい。
S-Lineとよく似たスペックの28-75mm f/2.8がどんなレンズか比較した結果がわかる
【焦点距離の差】同じ位置、同じカメラで画角を比較
まずは画角の差を確認してみましょう。
似たような焦点距離なので、必然的に似たような画角になるはずです。
結果はこちらです。↓↓
この二つは、焦点距離5mmの差です。
右上に配置したチャートを比較してもらうとわかりやすいかもしれません。
焦点距離70mmのほうは画角が若干広いので、右上のチャートの3個目が半分くらい見えています。
それに対して、75mmのほうは3個目のチャートが見えていません。
【機動力の差】重さとサイズを比較
次に機動力に関係する重さとサイズを比較してみましょう。
まずはサイズから公式の正確な情報から引っ張てくることにしましょう。
24-70mm f/2.8Sと28-75mm f/2.8のサイズの比較。
サイズは、表にしたほうが比較しやすいので、表にしてみました。
比較レンズ | 最大径 | マウント基準面からレンズ先端まで |
---|---|---|
24-70mm f/2.8S | 約89mm | 126mm |
28-75mm f/2.8 | 約75mm | 120.5mm |
一回り24-70mm f/2.8Sのほうが大きいことがわかりますね。
とはいっても、最大径10mm程度、レンズ全長に至っては5mm程度しか
差はありませんから、気にするほど大きな差とは言えなさそうです。
24-70mm f/2.8Sと28-75mm f/2.8の重さの比較。
重さに関しては、実物で正確に測ることができるので、
今回は実測の結果をお伝えします。
今回は、レンズキャップ、レンズフード、マウントキャップすべてつけて、
持ち運びしている状態を想定して測定してみました。
結果はこちらのようになりました。↓↓
比較レンズ | 重量 |
---|---|
24-70mm f/2.8S | 887.6g |
28-75mm f/2.8 | 646.7g |
持った感じからして、24-70mm f/2.8Sのほうが重いのはわかっていましたが、
約240gの差でした。意外と差がありますね。
単焦点レンズの28mm f/2.8の質量が約155gとあるので、
単焦点レンズ1本分くらいの差があると言えますね。
【どれくらい寄れるか】最短撮影距離を比較
28-75mm f/2.8のほうは、Nikonの商品紹介のところで
寄れるレンズだと記載がありますが、実際のところどうだったのでしょうか?
まずは公式で公開されているスペックについて表にしてみました。↓↓
比較レンズ | 最短撮影距離 | 最大撮影倍率 |
---|---|---|
24-70mm f/2.8S | 0.38m(ズーム全域) | 約0.22倍 |
28-75mm f/2.8 | 0.19m(焦点距離28mm)、0.22m(焦点距離35mm)、0.3m(焦点距離50mm)、0.39m(焦点距離75mm) | 約0.34倍 |
スペックはこのようになりましたが、
実際どれくらい寄れるのかは試してみるしかありません。
というわけで、マウントキャップを被写体としてピントがギリギリあう距離で
撮影してみました。
まずTele端からの比較です。↓↓
結果としては、24-70mm f/2.8Sよりも、28-75mm f/2.8のほうが寄れました。
スペック的にはTele同士の場合そこまで差がないはずなのですが、
28-75mm f/2.8のほうが比較的寄れました。
次の結果が面白かったのですが、Wide端の結果です。
24-70mm f/2.8Sのほうはズーム全域で同じ最短撮影距離なので、
Wide側は画角が広くなってマウントキャップは小さく写ります。
それに比べて、28-75mm f/2.8はWide端だと最短撮影距離が短くなります。
その結果がこちら。↓↓
だいぶ寄れています。
実際この写真を撮った状況としては、こんな感じです。↓↓
ご覧いただくとわかるととおり、
もはやこの距離だとマクロレンズの距離ですよね。
スペック上はWide端だと最短撮影距離が0.19mとのことですが、
この距離0.1mくらいですよね???
スペック以上に寄れるということがわかりました。
※この個体の場合だけなのかもしれませんので全てこうなるとは断言できません。
【値段の差】実売価格で比較
次に値段の差です。
交換レンズは高価ですよね。それに24-70mm f/2.8に関して言えば、
大三元レンズの1つということで、プロ用として愛用されることが多いです。
大三元レンズとは、ズームレンズのfNo.が遠し(ズーム全域)でf/2.8のレンズのことで、
広角ズーム、標準ズーム、望遠ズームの3本があることから、大三元レンズと呼ばれます。
fNo.の通しでf/4は、大三元レンズに対して小三元レンズなんて呼ばれたりもします。
大三元レンズと呼ばれるだけあって、メーカーとしてはズームのフラッグシップモデルとなります。
そのため、1本1本が非常に高価です。1本でフルサイズミラーレス機が買えてしまうほどです。
それに比べて、今回紹介している28-75mm f/2.8は遠しでf/2.8ですが、
位置づけとしては大三元には入りません。その違いとしては、
型番の最後にSが付くかどうかです。
このSというのは、S-Lineと呼ばれるモデルであることを示しています。
S-Lineは、Nikon公式ではこのように紹介されています。
Z マウントレンズの「S-Line」は、脈々と受け継がれてきたニコン独自の設計指針と品質管理をさらに厳格化した NIKKOR Z レンズの中でも、さらに高い基準を満たすレンズにつけられた称号です。
https://search.nikon-image.com/faq/products/article?articleNo=000056473
「S-Line」の「S」には、「優れた(Superior)」、「特別な(Special)」、「精緻な(Sophisticated)」の意味が込められています。
なお、「S-Line」に属しているレンズには末尾に「S」という文字が名称の中に含まれます。
簡単に説明すると、高級機種ということです。
つまり、28-75mm f/2.8は高級機種ではなく廉価版の大三元と言えそうです。
ここまで説明してきましたが、
実際販売価格はNikonには載っていません。最近はすべてオープン価格です。
そこで、みんな大好きAmazonで記事執筆時点(2023年8月13日)での価格を比較してみました。
比較レンズ | 価格 | リンク先 |
---|---|---|
24-70mm f/2.8S | 299,071円 | Amazonに飛びます |
28-75mm f/2.8 | 113,382円 | Amazonに飛びます |
3倍とまではいきませんが、Sが付いているかどうかだけでこの価格差です。
この価格差をあなたはどう見ますか?
【解像性能の差】どれくらいシャキッと写せるかの比較
さて、ここまで画角や最短撮影距離、値段についてお話してきました。
値段が3倍近い高級機種と廉価版で写真の写りが一緒だったらがっかりですよね?
というわけで、冒頭でお見せした画角の写真を使って、
どれくらいチャートがくっきりはっきり解像しているか拡大して確認してみましょう。
撮影条件としてはどちらも同一で、
絞りは解放f/2.8、シャッタースピードは1/25秒、ISO感度は400です。
※素人が評価しているので、正確性に関しては…ごめんなさい。
中心部で比較。
中心部のチャートを使って、中心付近で比較してみました。
Wide端で比較。
Tele端で比較。
周辺部で比較。
Wide端で比較。
Tele端で比較。
反省….f/2.8ではなくもう少し絞ったほうが良かった…
結果を確認したから思ったのですが、f/2.8で撮影していたこと、
それから、チャートを貼った壁に対してカメラを完全に正対させていなかったため、
Tele端の周辺部がボケ始めてしまいました…
今回のまとめ【値段と性能のバランス】
今回大三元レンズの24-70mm f/2.8Sと、
廉価版の28-75mm f/2.8を比較してみましたが、
結論としては、値段の差が歴然とはなりませんでした…
もう少しフレアが出やすい条件であったり、
外で撮るともう少し違ったかもしれないです。
最短撮影距離が28-75mm f/2.8のほうがスペック以上に寄れたり、
チャートを簡易的に撮影した感じでは、値段差ほどの差は感じられませんでした。
ちなみに、今回28-75mm f/2.8はGOOPASSというレンタルサービスを利用しました。
こういった検証のために両方のレンズを買うほどの余裕はありませんので、
GOOPASSのようなレンタルサービスがあると助かりますね。
GOOPASSについてはこちらで記事にしていますので、
興味がありましたらご覧ください。
それでは良いコスパライフを。
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